相次ぐ不正アクセス・個人情報流出…マッチングアプリや結婚相談所は大丈夫?婚活カウンセラーが安全性と対策を解説
企業やオンラインサービスへの不正アクセス、個人情報流出のニュースが相次ぐ中、『マッチングアプリや結婚相談所に身分証やプロフィールを預けて大丈夫なの?』と不安になる方もいると思います。
結論から言えば、マッチングアプリだから危険、結婚相談所だから絶対安全、という単純な話ではありません。インターネットを利用する以上、どのサービスにも一定のサイバーリスクがあります。
重要なのは、“どこなら絶対漏れないか”を探すことではなく、事業者がどんな対策をしているか、自分がどんな情報を預けているか、そして利用者自身もどこまで情報管理できているかを確認することです。
結婚相談所フォリパートナーの代表カウンセラーです。婚活サービスは、顔写真や年収、婚姻歴、独身証明書など、一般的なWebサービス以上にその人の人生に近い情報を扱うことがあります。この記事では、最新の公的なサイバーセキュリティ情報と婚活の現場の視点から、婚活サービスの安全性の見方と、利用者が今日からできる対策を整理します。
※サイバーセキュリティに関する内容は、IPA(情報処理推進機構)・個人情報保護委員会などの公表資料(2026年10月27日時点で確認)を優先しています。筆者はセキュリティの専門家ではないため、技術的な判断は各機関の一次情報をご確認ください。特定の企業の事案は扱いません。

結論|「どこなら絶対安全か」ではなく「どう管理しているか」を見る
婚活サービスの安全性は、アプリか相談所かではなく、①どの情報を預けるか、②事業者がどう管理しているか、③委託先まで対策されているか、④アカウント認証は適切か、⑤事故時にどう対応するか、⑥利用者自身がどこまで情報管理できているか、で決まります。
マッチングアプリだから危険、結婚相談所だから絶対安全、という単純な話ではない。
安全なサービスとは、“絶対に漏えいしないサービス”ではなく、漏えい・不正アクセスのリスクを前提に、多層的な対策を取り、異常を検知し、万一の際に迅速に対応できるサービス
- マッチングアプリに個人情報を登録して大丈夫ですか? 一概に危険とは言えません。本人確認や暗号化、不正検知などの対策をしているサービスも多くあります。ただしゼロリスクではないため、プライバシーポリシーを確認し、パスワードの使い回しを避け、多要素認証を設定しましょう。
- 結婚相談所は個人情報の面で安全ですか? 本人確認や独身確認が厳しいことと、預かった情報をサイバー攻撃から守れることは別の問題です。相談所でもPC・クラウド・メールなどを使う以上、リスクはゼロではありません。管理方法を契約前に確認しましょう。
- マッチングアプリと結婚相談所ではどちらが安全ですか? 一概には決まりません。アプリは利用者同士で公開する情報が多く、相談所は預ける証明書が多い、という違いがあります。どちらも、個別のサービスの管理体制と自分の情報管理で安全性が変わります。
- 婚活サービスから情報漏えいしたらどうすればいいですか? まず公式サイトや公式アプリで漏えいした項目を確認し、パスワードを変更し、同じパスワードを使っている他のサービスも変更します。多要素認証を設定し、クレジットカードの明細や不審なメールにも注意しましょう。
- 婚活サービスを選ぶ時のセキュリティ確認ポイントは? プライバシーポリシー、利用目的、第三者提供、委託先の管理、保存期間、アカウント認証、通信の暗号化、問い合わせ窓口、漏えい時の対応、第三者認証の有無などを確認しましょう。
なぜ今、企業への不正アクセスが相次いでいるのか?
2026年10月9日、IPAは、国内の金融機関や通信事業者などで不正アクセスによる情報漏えいの公表が相次いでいるとして、事業者に緊急の点検を呼びかけました。大量の個人情報を持つオンラインサービスは、攻撃者にとって魅力的な標的になり得ます。
🏛️ 公的機関の発表
IPAの注意喚起では、事案の多くが、大量の個人情報を保有するオンラインサービスやアカウントサービスへの侵入であると指摘されています。事業者に対しては、外部に公開しているサービス・アカウント・保有データの点検などが求められました。同じ時期に、個人情報保護委員会(10月7日)をはじめ、複数の公的機関が相次いで注意喚起を出しています。
盗まれた情報は、恐喝や不正な売買といった二次被害につながることもあります。婚活サービスも、大量の個人情報を扱うオンラインサービスの一つです。「自分には関係ない」とは言い切れません。
IPA「情報セキュリティ10大脅威2026」では何が問題になっている?
IPAが2026年1月に公表した「情報セキュリティ10大脅威2026」では、組織向けの1位が「ランサム攻撃による被害」、2位が「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」、3位が初めて選ばれた「AIの利用をめぐるサイバーリスク」でした。
🏢 組織向け(上位7つ)
- ランサム攻撃による被害
- サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
- AIの利用をめぐるサイバーリスク
- システムの脆弱性を悪用した攻撃
- 機密情報を狙った標的型攻撃
- 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃
- 内部不正による情報漏えい等
👤 個人向け(主なもの・順位なし)
- インターネット上のサービスからの個人情報の窃取
- インターネット上のサービスへの不正ログイン
- クレジットカード情報の不正利用
- フィッシングによる個人情報等の詐取
- 不正アプリによるスマートフォン利用者への被害
出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月29日公表)。個人向けは五十音順で、順位は付けられていません。
個人向けの脅威には、「サービスからの個人情報の窃取」と「サービスへの不正ログイン」が並んでいます。どちらも、婚活サービスの利用者に直接関わる内容です。
そもそも「不正アクセス」とは?
不正アクセスとは、本来アクセスする権限のない人が、他人のIDやパスワードを使ったり、システムの弱点を突いたりして、サービスやシステムに入り込むことです。
- 盗まれたID・パスワード:他のサービスから漏れた情報が使われる
- システムの脆弱性:ソフトウェアの弱点が悪用される
- フィッシング:偽サイトでID・パスワードを入力させる
- 設定ミス:本来公開すべきでない情報が外から見える状態になる
- マルウェア:端末に入り込んだ不正なプログラムが情報を盗む
図解① 不正アクセス→情報窃取→悪用の流れ
- 侵入:盗まれたパスワードやシステムの弱点などからサービスに入り込まれる
- 情報の窃取:会員情報やファイルが外部に持ち出される
- 悪用:フィッシングメール、なりすまし、不正ログイン、恐喝、売買などに使われるおそれ
- 二次被害:他のサービスへの不正ログインや詐欺の被害につながることがある
※すべての漏えいがこの流れをたどるわけではありません。利用者が防げる段階(パスワード・フィッシング対策など)もあります。
「情報漏えい」とは?
個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人データが外部に流出することを「漏えい」としており、不正アクセスによって第三者に個人データを盗まれた場合なども含まれます。
漏えいは、サイバー攻撃だけで起きるものではありません。メールの誤送信、書類の紛失、設定ミスによる誤公開なども、漏えいの原因になります。「情報漏えい=ハッカーの攻撃」ではないことを知っておきましょう。

婚活サービスの個人情報はなぜ特に慎重に扱うべき?
婚活サービスでは、本人確認情報に加えて、恋愛・結婚歴・家族・年収・学歴・仕事・顔写真など、その人の生活や人生に深く関わる情報を扱うからです。
図解② 婚活サービスが扱う個人情報マップ
🪪 身元
氏名・生年月日・住所・電話番号・メールアドレス・本人確認書類
💼 仕事・お金
職業・勤務先・年収・収入証明書
🏠 家族・婚姻
婚姻歴・家族構成・子どもの有無・独身証明書
🎓 経歴
学歴・卒業証明書・資格
📷 見た目
顔写真・全身写真
💗 婚活の内面
プロフィール文・希望条件・交際状況・相談内容
※扱う情報はサービスによって異なります。
メールアドレスが漏れることと、「婚活をしていること」「年収」「婚姻歴」「交際状況」が知られることでは、本人にとっての重さが大きく違います。婚活サービスの情報管理に、より高い配慮が求められる理由です。機微な情報の考え方は機微情報とは?意味・個人情報との違い・婚活で扱う際の注意点でも解説しています。
マッチングアプリ・結婚相談所にはどんな情報を預けている?
マッチングアプリでは顔写真・年齢・居住地・職業・年収・趣味・結婚意思・本人確認書類などを登録し、結婚相談所ではさらに独身証明書や収入証明書などの証明書を提出する場合があります。
| 主な情報 | 📲 マッチングアプリ | 🏢 結婚相談所 |
|---|---|---|
| 顔写真・プロフィール | 登録・公開する | 登録・会員間で閲覧 |
| 本人確認書類 | 年齢確認・本人確認で提出 | 入会時に提出 |
| 独身証明書 | 任意または不要が多い | 提出を求めることが一般的 |
| 収入証明書 | 任意のことが多い | 男性を中心に求めることが多い |
| 学歴・資格の証明 | 任意のことが多い | 求める相談所もある |
| 住民票など | 原則なし | 求める相談所もある |
※サービス・相談所・連盟によって異なります。最新の内容は各社の公式情報でご確認ください。
結婚相談所の提出書類については結婚相談所に必要な書類まとめ|独身証明書・収入証明などの取得方法で詳しく解説しています。身分証や学歴証明については写真付き身分証明書・最終学歴証明書もご覧ください。
独身証明書や年収証明を出すメリットとリスク
証明書を提出すると、身元確認や既婚者対策、プロフィールの信頼性が高まります。一方で、預ける情報量が増えるという面もあります。
⭕ メリット
- 身元が確認された相手と出会える
- 既婚者が紛れ込むリスクを減らせる
- プロフィールの信頼性が上がる
⚠️ リスク
- 預ける情報の量が増える
- 証明書の画像やコピーの管理が必要になる
なお、独身証明書は、民法第732条(重婚の禁止)に抵触しないことを、本籍地の市区町村などが証明するものです。記載されるのは主に氏名・生年月日・本籍などで、本人しか取得できません。詳しくは独身証明書とは?取得方法・必要書類、収入証明書とは?をご覧ください。
マッチングアプリは危険なの?
一概に危険とは言えません。多くのサービスで、本人確認・通信の暗号化・監視・ブロック・通報・不正検知などの対策が導入されています。ただし、内容はサービスごとに違うため、公式情報で確認しましょう。
アプリの特徴は、利用者同士で公開する情報が多いことです。サービス側の対策がしっかりしていても、プロフィールに書きすぎた情報や、写真の写り込みから個人が特定されることがあります。アプリのリスクは、サービス側の管理と、自分の公開範囲の両方で考えることが大切です。アプリでの安全な出会い方はアプリトラブル|マッチングアプリの婚活で起きやすいトラブル類型と被害を防ぐ対処法でも解説しています。
結婚相談所なら絶対安全?
絶対ではありません。相談所も、メール・PC・クラウド・顧客管理システム・外部委託先・スタッフの端末を使う以上、リスクはゼロではありません。
結婚相談所が「安全」と言われるのは、主に次のような理由からです。
- 本人確認書類の提出
- 独身証明書による独身確認
- 収入や学歴などの証明書の提出
- 仲人・カウンセラーが間に入る
- 交際のルールがある
これらは、「相手が本当にその人か」「独身か」を確かめる仕組みとしては有効です。でも、それは「預かった情報をサイバー攻撃から守れるか」とは別の話です。この違いを、次の章でくわしく見ていきます。
身元確認が厳しい=ハッキングされない、ではない
本人確認は「利用者が誰かを確認する仕組み」、セキュリティは「預かった情報そのものを守る仕組み」です。この2つはまったく別の概念です。
図解③ 本人確認/サイバーセキュリティの違い
| 項目 | 🪪 本人確認 | 🔏 サイバーセキュリティ |
|---|---|---|
| 目的 | 利用者が本人か、独身かを確かめる | 預かった情報を盗まれないように守る |
| 守るもの | 出会いの信頼性 | 情報そのもの |
| 主な方法 | 身分証・独身証明書・収入証明書の確認 | アクセス制限・多要素認証・暗号化・監視・更新 |
| 強化すると | 預かる情報が増えることがある | 預かった情報が守られやすくなる |
※本人確認が厳しいほど、預かる情報が増え、より強い情報管理が求められます。
つまり、本人確認が厳しいサービスほど、預かる情報が多くなり、その分しっかりした情報管理が必要になるのです。「書類をたくさん出したから安心」ではなく、「その書類をどう管理しているか」まで見ることが大切です。
マッチングアプリと結婚相談所の安全性を比較
アプリと相談所には、それぞれ得意な面と注意したい面があります。どちらが勝ちということではなく、項目ごとに違いを見ることが大切です。
図解④ マッチングアプリ/結婚相談所の比較表
| 項目 | 📲 マッチングアプリ | 🏢 結婚相談所 |
|---|---|---|
| 本人確認 | 年齢確認・本人確認(方法はアプリによる) | 身分証の提出が一般的 |
| 独身確認 | 任意または仕組みなしが多い | 独身証明書の提出が一般的 |
| 収入確認 | 任意が多い | 証明書の提出を求めることが多い |
| 運営の介在 | 基本的に利用者同士 | カウンセラーが間に入る |
| 利用者間の情報公開 | 自分で公開範囲を決める部分が大きい | 会員間で閲覧。公開範囲は仕組みによる |
| 預ける個人情報の量 | 比較的少ないことが多い | 証明書を含め多くなりやすい |
| アカウント認証 | サービスにより多要素認証などに対応 | システムや相談所により異なる |
| サイバーセキュリティ | 事業者ごとに異なる | 連盟のシステム+各相談所の管理による |
| 事故時の対応 | 運営会社の窓口 | 相談所・連盟の窓口 |
※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧ください。内容は一般的な傾向で、個別のサービスによって異なります。
アプリと相談所の全体的な違いは結婚相談所とマッチングアプリの違いでも解説しています。
一番怖いのは「サービス本体」だけとは限らない|委託先のリスク
婚活サービスは、クラウド・予約システム・決済・メール配信・外部委託先など、多くのサービスとつながっています。そのどこか一つが攻撃されることで、情報が漏れることもあります。
図解⑤ 婚活サービスのサプライチェーン図
- 婚活サービス(相談所・アプリ):会員情報を管理する
- クラウド:データの保管やシステムの基盤
- 予約・顧客管理システム:面談予約や会員管理
- 決済サービス:会費や料金の支払い
- メール配信:お知らせやメールマガジン
- 外部委託先:システム開発・保守・サポート業務など
※どこか一つが侵害されると、本体が安全でも情報が漏れるおそれがあります。
IPAの10大脅威で、組織向け2位が「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」だったのは、こうしたつながりの中の弱い部分が狙われやすいからです。事業者には、委託先まで含めた管理が求められています。
クラウドを使っている=危険?
違います。クラウドそのものが危険なのではなく、アクセス権限や公開範囲などの設定・管理が適切かどうかが重要です。
クラウドサービスの多くは、自社でサーバーを管理するより高いセキュリティ機能を備えています。一方で、共有範囲の設定ミスや、退職者のアカウントが残ったままといった運用の問題が、漏えいの原因になることがあります。クラウドを使っているかどうかより、どう管理しているかを見ましょう。
一番多い原因は「ハッカー」だけではない
情報漏えいの原因は、外部からの攻撃だけではありません。誤送信、誤公開、設定ミス、端末の紛失、内部不正など、人や運用に関わる原因もあります。
- 誤送信:メールやファイルを間違った相手に送る
- 誤公開:非公開のはずの情報をWebに載せてしまう
- 設定ミス:アクセス権限を誤って広く設定する
- 端末の紛失:PCやスマートフォン、USBメモリをなくす
- 内部不正:権限を持つ人が情報を持ち出す
だからこそ、セキュリティは技術だけでなく、人と運用の両方で守る必要があります。
婚活カウンセラーのPCやスマホから漏れる可能性は?
理論上はあり得ます。だからこそ、端末のロック・暗号化・パスワード管理・OSの更新・マルウェア対策・権限管理が必要です。
- 端末ロック
- 暗号化
- パスワード管理
- OS・アプリの更新
- マルウェア対策
- アクセス権限の管理
結婚相談所では、カウンセラーが会員さんとLINEやメールでやりとりしたり、プロフィールを編集したりします。カウンセラー一人ひとりの端末も、会員情報を守る入口の一つです。入会前に「スタッフの端末はどう管理していますか?」と聞いてみてもかまいません。
LINE・メール・共有ストレージで証明書を送っても大丈夫?
日常的な相談と、本人確認書類などの機微な証明書は分けて考えましょう。サービスに専用のアップロード機能がある場合は、原則そちらを使うのがおすすめです。
| 方法 | 注意したいこと |
|---|---|
| LINE | 日常の相談には便利。証明書は、相談所の指定がない限り送らない方が安心 |
| メール添付 | 誤送信や、受信側の端末からの流出リスクがある。絶対安全ではない |
| Google Drive・Dropboxなど | 共有URLの公開範囲、アクセス権、パスワード、アカウント管理が重要 |
| サービス指定のアップロード機能 | 原則こちらを優先。どう保存されるかも確認しておくと安心 |
相談所から証明書の送付方法を指定された時は、「この方法で送って、どう保管されますか?」と確認して問題ありません。

パスワードの使い回しが危険な理由|婚活サービスは他と分ける
一つのサービスから漏れたIDとパスワードが、別のサービスへの不正ログインに使われることがあります(パスワードリスト攻撃)。婚活サービスのパスワードは、必ず他のサービスと分けましょう。
- 長いパスワードにする:短いものより推測されにくい
- サービスごとに固有にする:一つ漏れても他に広がらない
- 使い回さない:特にメールアドレスと同じ組み合わせは避ける
- パスワードマネージャーを検討する:複雑なパスワードを安全に管理できる
どれだけ婚活サービス側の対策がしっかりしていても、他のサービスで漏れたパスワードを使い回していれば、正しいIDとパスワードでログインされてしまうことがあります。利用者自身にできる、最も効果的な対策の一つです。
二要素認証・多要素認証は有効?SMS認証だけで安心?
多要素認証は、不正ログインを防ぐ非常に有効な対策の一つです。ただし万能ではありません。サービスが対応していれば、設定しておくことをおすすめします。
多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードや生体認証など、複数の要素で本人であることを確認する仕組みです。パスワードが漏れても、それだけではログインされにくくなります。
一方で、SMSで届くコードは、偽サイトに入力させられてしまうと突破される場合があります。個人情報保護委員会も、事業者向けにフィッシングに強い認証方式の利用を推奨しています。利用者としては、多要素認証を設定したうえで、偽サイトにコードを入力しないことが大切です。
本人確認書類を登録するのが怖い場合は?
不安な場合は、何のために取得するのか、どのくらいの期間・どのように保存されるのか、第三者に提供されるのか、いつ削除されるのかを、プライバシーポリシーや窓口で確認しましょう。
- 何のために取得するのか(利用目的)
- どのくらいの期間保存するのか
- どのように保存するのか(暗号化・アクセス制限など)
- 第三者に提供することはあるか
- いつ・どうやって削除されるのか
- プライバシーポリシーにどう書かれているか
説明を求めて、きちんと答えてくれる事業者は、それだけで一定の安心材料になります。個人情報の基本は個人情報とは?婚活・結婚相談所での個人情報の取り扱い・守り方・注意点でも解説しています。
退会すれば個人情報は全部消える?
必ずしも、退会と同時にすべての情報が削除されるとは限りません。法令や契約、サービスの規定により、一定期間保存される場合があります。
個人情報保護法では、事業者は利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることとされています。ただし、トラブル対応や法令上の理由などで、一定期間保存する規定を設けているサービスもあります。退会前に、各社のプライバシーポリシーで保存期間と削除の方法を確認しましょう。
婚活サービスを選ぶ時に見るべきセキュリティ項目10選
婚活サービスを選ぶ時は、料金や会員数と同じように、個人情報の扱い方と体制を確認しましょう。
図解⑥ サービス選びセキュリティ10項目
- プライバシーポリシー
- 個人情報の利用目的
- 第三者提供の有無
- 委託先の管理
- 保存期間
- アカウント認証(多要素認証など)
- 通信の暗号化
- 問い合わせ窓口
- 漏えい時の対応方針
- セキュリティ認証・第三者認証
※すべてを満たすかどうかより、質問した時に誠実に説明してくれるかも大切な判断材料です。
結婚相談所選び全体のポイントは結婚相談所の選び方とは?料金・成婚率・サポート・失敗しない比較ポイントでも紹介しています。
プライバシーマーク・ISMS認証があれば絶対安全?
絶対ではありません。プライバシーマークやISMS認証は、一定の管理体制があることを確認する材料の一つですが、事故が起きないことを保証するものではありません。
プライバシーマーク
個人情報を適切に取り扱う体制が整っている事業者に付与される制度。JIS Q 15001に基づく
ISMS認証
情報セキュリティを管理する仕組みが国際規格(ISO/IEC 27001)に沿っていることの認証
認証があることは、管理の仕組みを持っている一つの目安になります。認証≠事故ゼロの保証と理解したうえで、取得の有無は各サービスの公式情報で確認しましょう。
SSL/HTTPSなら安全?
HTTPSは、通信を暗号化して、途中で盗み見されにくくするためのものです。サービス全体の安全性を保証するものではありません。
アドレスバーの鍵マークは、「通信が暗号化されている」という意味です。偽サイトでもHTTPSは使えるため、鍵マークがあるだけで本物と判断するのは危険です。URLが公式のものかどうかも必ず確認しましょう。
アプリストアにあるアプリなら安全?
公式ストアのアプリは一定の審査を経ていますが、必ずしも絶対安全とは言えません。公式のアプリを利用し、不審な外部サイトからのアプリのインストールは避けましょう。
アプリ名が似ている偽物が出回ることもあります。開発元の名前やダウンロード数、レビューを確認し、サービスの公式サイトから案内されているアプリを使うのが安心です。IPAの10大脅威でも、個人向けに「不正アプリによるスマートフォン利用者への被害」が挙げられています。
偽ログインページ・「本人確認してください」メールにも注意
SMSやメール、SNSのDMで偽のログインページに誘導する「フィッシング」に注意しましょう。「本人確認してください」と届いても、リンクを直接開かず、公式アプリや公式サイトから確認するのが基本です。
⚠️ 婚活サービスを装ったフィッシングの見分け方
- URL:公式のドメインと少し違う
- 送信者:公式とは違うアドレスや電話番号
- 急かす:「24時間以内に確認しないと停止」など
- パスワードの要求:メールのリンク先でパスワードを入力させる
- カード情報の要求:本人確認と称してカード番号を求める
迷った時は、メールのリンクではなく、自分でブックマークした公式サイトや公式アプリを開いて確認しましょう。それだけで多くのフィッシングは防げます。婚活中に狙われやすい詐欺の手口はロマンス詐欺対策でも解説しています。
プロフィールに個人情報を書きすぎない|勤務先・年収はどこまで?
システム側がどれだけ安全でも、自分でプロフィールに公開した情報は守れません。勤務先や年収は、必要な範囲にとどめましょう。
| 情報 | リスクが低い書き方 | リスクが高い書き方 |
|---|---|---|
| 勤務先 | 「東京都・会社員」「IT系企業勤務」 | 「○○株式会社○○支店」 |
| 居住地 | 「東京都」「神奈川県」 | 「○○駅から徒歩5分」 |
| 年収 | サービスの選択肢から幅で選ぶ | 自由記述で詳しい金額や資産を書く |
年収は、婚活で必要な情報になることもあります。その場合は、誰が閲覧できるか、どう証明されるかを確認したうえで登録しましょう。何をどこまで開示するかの考え方は個人情報管理|婚活中に「何を・いつ・どこまで」開示すべきかの判断基準で詳しく解説しています。
プロフィール写真から居場所がバレる?位置情報は大丈夫?
写真の背景や、写真データに含まれる位置情報から、住まいや勤務先が推測される可能性があります。
- 自宅の窓からの景色やマンションの外観
- 勤務先の建物やロゴ
- 最寄り駅の看板
- 制服や社員証
- 車のナンバー
- 写真データの位置情報
写真の位置情報(撮影場所のデータ)は、アップロード時にサービス側で削除される場合もありますが、仕様はサービスごとに違います。スマートフォンのカメラ設定で位置情報の記録をオフにする、送る前に確認するなど、自分でもできる対策をしておきましょう。
婚活での安全な出会い方は、SNS特定リスク|婚活中に「SNSから身元を特定される」危険性と具体的な対策でも解説しています。
婚活サービスが情報漏えいしたら何が起こる?
漏えいした情報の内容によって、迷惑メール、フィッシング、なりすまし、アカウント乗っ取り、SNSの特定、詐欺などのリスクが高まる可能性があります。
- 迷惑メール
- フィッシング
- なりすまし
- アカウント乗っ取り
- SNSの特定
- 詐欺
ただし、「漏えい=クレジットカード情報も漏れた」とは限りません。何が漏れたかは、事業者の公式発表で確認しましょう。
また婚活情報は、単なるメールアドレス以上に、「婚活をしていること」「婚姻歴」「交際の状況」など、本人が知られたくない内容を含む場合があります。だからこそ、事業者には慎重な管理が求められます。
もし利用している婚活サービスから「情報漏えいのお知らせ」が来たら?
慌てず、公式情報で何が漏れたのかを確認し、パスワードの変更や多要素認証の設定など、できることから順に対応しましょう。通知メール自体がフィッシングの可能性もあるため、リンクではなく公式サイト・公式アプリで確認します。
図解⑦ 漏えい通知が来た時の対応フロー
- 公式情報を確認:メールのリンクではなく、公式サイト・公式アプリで発表を確認
- 漏えい項目を確認:氏名・メール・パスワード・カード・本人確認書類など、何が含まれるか
- パスワードを変更:そのサービスのパスワードを変える
- 同じパスワードの他サービスも変更:使い回しているものはすべて
- 多要素認証を設定:対応していれば有効にする
- クレジットカードの明細を確認:カード情報が含まれる場合は特に
- 不審なメールに注意:漏えいに便乗した詐欺メールが届くことも
- 必要なら相談:サービスの窓口、カード会社、警察など
⚠️ 漏えい通知メール自体がフィッシングの可能性も
「情報漏えいのお詫び。こちらからパスワードを再設定してください」といったメールが、偽物である場合もあります。通知メールのリンクは開かず、公式サイト・公式アプリから確認しましょう。
不審なログイン通知が来た場合
身に覚えのないログイン通知が来たら、パスワードを変更し、ログイン中の端末を確認して不要なものはログアウトし、運営に問い合わせ、認証を強化しましょう。
- パスワードを変更する
- ログイン中の端末(セッション)を確認し、心当たりのないものを終了する
- 運営会社に問い合わせる
- 多要素認証を設定する
できることはサービスの仕様によって違います。通知のリンクではなく、公式アプリの設定画面から確認しましょう。
クレジットカード情報が漏れた可能性がある場合
カード裏面に記載されたカード会社の公式窓口に連絡し、利用明細に身に覚えのない請求がないか確認しましょう。
必要に応じて、カードの利用停止や再発行を相談できます。連絡先は、メールに書かれた番号ではなく、カード裏面やカード会社の公式サイトで確認してください。
本人確認書類が流出した可能性がある場合
本人確認書類の流出は、なりすましなどに悪用されるおそれがある重大な事態です。サービス運営の案内に加え、個人情報保護委員会や警察などの公式の案内に沿って対応しましょう。
- サービス運営の公式発表で、どの書類のどの情報が含まれるか確認する
- 運営の案内に沿って、問い合わせ窓口に相談する
- 身に覚えのない契約や請求がないか注意する
- 不審な連絡には応じない
- 被害が疑われる場合は、警察(#9110)や消費生活センター(188)に相談する
書類の種類によって、とれる対応は異なります。自己判断せず、公的機関の最新の案内を確認しましょう。
個人情報保護委員会への報告制度とは?漏えいしたら必ずすぐ公表される?
個人情報保護法では、一定の漏えい等が起きた場合、事業者に個人情報保護委員会への報告と、本人への通知が義務付けられています。ただし、「報告・通知」と「企業が一般に公表するかどうか」は別の判断です。
| 報告・通知が必要になる主なケース(2022年4月から義務化) |
|---|
| 要配慮個人情報(病歴など)が含まれる漏えい等 |
| 財産的な被害が生じるおそれがある漏えい等(クレジットカード情報など) |
| 不正アクセスなど、不正の目的によるおそれがある漏えい等 |
| 1,000人を超える漏えい等 |
出典:個人情報保護委員会「漏えい等報告・本人への通知の義務化について」。報告は、事態を知ってから速やかに(概ね3〜5日以内)行うこととされています。詳細は最新のガイドラインをご確認ください。
報告や本人への通知は法律上の義務ですが、ニュースリリースなどで広く公表するかどうかは、事業者がそれぞれ判断します。「公表されていない=何も起きていない」とは限らない一方で、報道の段階では「調査中」「可能性」と「確定」が区別されていないこともあります。公式発表を確認することが大切です。
結婚相談所は紙だから安全?デジタルと紙、どちらが安全?
紙だから安全、デジタルだから危険、ということはありません。紙の資料にも紛失・盗難・誤送付のリスクがあり、どちらも適切な管理が重要です。
📄 紙のリスク
- 紛失
- 盗難
- 誤送付・誤配布
- 保管場所の施錠不足
💻 デジタルのリスク
- 不正アクセス
- 設定ミス
- 誤送信
- 端末の紛失
大切なのは媒体ではなく、誰がアクセスできるか、どこに保管するか、いつ廃棄するかというルールが決まっていて、守られているかどうかです。
個人情報を「持たない」ことも重要なセキュリティ
事業者にとって、必要以上の個人情報を集めない、必要以上に保存しない、ということも重要なセキュリティ対策です。持っていない情報は、漏れることがありません。
個人情報保護委員会も2026年10月の注意喚起で、利用する必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう事業者に求めています。婚活サービスでも、「本当にこの書類のコピーをずっと保存しておく必要があるのか」を見直すことが、利用者を守ることにつながります。

結婚相談所に確認してもよい質問
個人情報の扱いについて、入会前に相談所へ質問するのは、まったく失礼なことではありません。次のような質問をしてみてください。
- 個人情報は何に使いますか?
- 誰が見られますか?(スタッフ・他の会員・連盟など)
- 本人確認書類はどのように保存しますか?
- IBJなどの連盟のシステムには、どこまで登録しますか?
- 退会後、情報はどうなりますか?
- 外部の委託先はありますか?
- 万一の事故の時の窓口はどこですか?
- スタッフの端末はどう管理していますか?
- 証明書をLINEやメールで送ることはありますか?
- セキュリティや個人情報保護の方針はありますか?
質問に対して、分かりやすく、誠実に答えてくれるかどうかも、相談所を見極める大切なポイントです。連盟の仕組みについてはIBJとは?結婚相談所連盟の仕組み・会員数・成婚までの流れもご覧ください。
マッチングアプリに確認すべき項目
マッチングアプリでは、本人確認の方法、プライバシーポリシー、第三者提供、位置情報の扱い、広告への利用、退会後のデータ、認証、通報機能、セキュリティの窓口などを確認しましょう。
- 本人確認の方法
- プライバシーポリシーの内容
- 第三者への提供の有無
- 位置情報の取得と利用
- 広告への利用
- 退会後のデータの扱い
- 多要素認証などのアカウント認証
- 通報・ブロック機能
- セキュリティに関する問い合わせ窓口
アプリの比較についてはマッチングアプリ比較|婚活・恋活・真剣交際向けアプリを徹底検証も参考にしてください。
無料だから危険、高額だから安全?大手だから安全、小規模だから危険?
どれも違います。価格や規模とセキュリティの品質は、必ずしも一致しません。個別に確認することが大切です。
| 思い込み | 実際には |
|---|---|
| 無料だから危険 | 無料でも対策がしっかりしたサービスはある |
| 高額だから安全 | 価格≠セキュリティの品質 |
| 大手だから安全 | 対策の予算は大きい場合がある一方、保有データが多いため攻撃の標的にもなり得る |
| 小規模だから危険 | 保有データは少ない場合がある一方、体制には差がある |
料金の相場や違いについては結婚相談所はマッチングアプリより高い?料金差の理由で解説しています。
婚活カウンセラーが考える「安全な相談所」
結婚相談所が預かるのは、単なる顧客データではなく、その人の人生に関わる情報です。だから私は、婚活サポートの質と同じくらい、「情報をどう扱うか」も相談所の品質だと考えています。
結婚相談所は、会員さんから非常に重要な情報をお預かりします。独身証明。収入証明。住所。顔写真。勤務先。
これは単なる顧客データではありません。その人の人生に関わる情報です。
だから私は、婚活サポートの質と同じくらい、“どう情報を扱うか”も相談所の品質だと思っています。
セキュリティの良い会社とは、“絶対漏らさないと言い切る会社”ではなく、リスクを正しく理解し、必要な対策を続け、万一の際に迅速に説明・対応できる会社
「うちは絶対に大丈夫です」と言い切る事業者より、「こういうリスクがあるので、こういう対策をしています」と具体的に説明できる事業者の方が、信頼できると私は考えています。
婚活サービスは「個人情報を預かる事業」でもある
婚活サービスは、出会いを提供するだけでなく、同時に「個人情報を預かる事業」でもあります。
17年間の現場の体感として、相談所選びの時に「個人情報はどう管理していますか?」と質問される方は、まだそれほど多くありません。料金や成婚率、サポートの内容は聞かれても、情報の扱いまでは聞きにくいと感じる方が多いのかもしれません。
でも、これからは遠慮なく質問してほしいと思っています。質問されることで、事業者側の意識も高まっていくからです。
今後は「セキュリティ」も相談所選びの基準になる
これからの相談所選びでは、サポート・料金・実績・カウンセラーに加えて、「安全管理」を5つ目の判断軸にすることをおすすめします。
- サポート
- 料金
- 実績
- カウンセラー
- 安全管理
この5つを総合的に見ることで、安心して婚活に集中できる相談所を選びやすくなります。今の相談所の管理体制に不安がある場合は、結婚相談所の乗り換えはすべき?迷ったときの判断基準も参考にしてください。相談所選びで失敗しないための考え方は後悔しない結婚相談所選びの教科書|倒産・トラブル・SNSリスク・AI活用まででも網羅しています。
結婚相談所・アプリ事業者側が最低限考えるべき対策
IPAや個人情報保護委員会の注意喚起では、事業者に対して、システムの更新、多要素認証、権限管理、ログの監視、委託先管理、インシデント対応、必要最小限のデータ保持などが求められています。
- アップデート:OS・ソフトウェアを最新に保つ
- 多要素認証:管理者や外部からのアクセスに導入する
- 権限管理・最小権限:必要な人に、必要な範囲だけ
- バックアップ:定期的に取得し、復旧手順を確認する
- ログ:アクセスの記録を保存し、定期的に確認する
- 教育:スタッフ全員がリスクを理解する
- 委託先管理:外部の事業者の対策も確認する
- インシデント対応:事故時の連絡体制と手順を決めておく
- 必要最小限のデータ保持:不要な情報は削除する
※事業者の具体的な対策は、IPA・個人情報保護委員会などの最新の公表資料をご確認ください。
ランサムウェア対策|「バックアップがあるから安全」ではない
ランサム攻撃は、データを暗号化して使えなくするだけでなく、盗んだデータを公開すると脅す「二重の脅迫」の手口もあります。バックアップだけでは、情報の流出は防げません。
- バックアップを取り、攻撃の影響を受けない場所に保管する
- システムの脆弱性に速やかに対応する
- 認証を強化する
- ネットワークへの不要な入口を減らす
- 事故時の対応手順を決めておく
IPAの10大脅威では、ランサム攻撃が組織向けの1位です。「復旧できる」ことと「情報が漏れない」ことは別だと理解しておくことが大切です。
スタッフ教育もセキュリティ|内部不正もゼロではない
セキュリティは技術だけでは守れません。フィッシングへの注意、誤送信の防止、パスワード管理、端末管理、共有リンクの扱いなど、スタッフ一人ひとりの意識が欠かせません。
- フィッシングへの注意
- 誤送信の防止
- パスワード管理
- 端末管理
- 共有リンクの扱い
また、IPAの10大脅威では「内部不正による情報漏えい等」も組織向けの7位に挙げられています。誰がどの情報にアクセスできるかを管理し、記録を残すことも、会員さんの情報を守るために必要です。
婚活利用者が今日からできる10の対策
事業者の対策だけに頼らず、利用者自身にもできることがあります。今日からできる10の対策をまとめます。
図解⑧ 利用者ができる10の対策
- パスワードを使い回さない
- 多要素認証を設定する
- OS・アプリを最新に更新する
- フィッシングに注意する(リンクからログインしない)
- 本名・住所をプロフィールに書かない
- 写真の背景と位置情報を確認する
- SNS連携は慎重にする
- 退会時にデータの扱いを確認する
- 不審なログイン通知を確認する
- 漏えい通知が来たらすぐ対応する
2026年10月には、デジタル大臣も利用者に向けて、パスワードの管理や多要素認証、不審なメッセージへの注意を呼びかけています。難しい技術は必要ありません。今日できることから始めましょう。
「Apple/Googleでログイン」の方が安全?SNS連携の注意点
AppleやGoogleのアカウントでログインする方法は、パスワードを新しく作らずに済むなどの利点がありますが、一概に「こちらの方が安全」とは言い切れません。連携元のアカウントの管理が重要になります。
- 利点:サービスごとにパスワードを作らなくてよい
- 注意点:連携元のアカウントが乗っ取られると、つながったサービスにも影響する
- 対策:連携元のアカウントに多要素認証を設定する
- SNS連携:どの情報(友達リスト・投稿など)へのアクセスを許可するか確認する
SNSと連携すると、プロフィールや交友関係が意図せず結びつくこともあります。連携前に、許可する範囲を確認しましょう。
公衆Wi-Fiで婚活アプリを使って大丈夫?
現在は多くのアプリやWebサイトで通信が暗号化されており、以前ほど危険ではありません。ただし、偽のアクセスポイントなどのリスクはあるため、本人確認書類の提出や決済など重要な操作は、モバイル回線や自宅の回線で行う方が安心です。
- 提供元がはっきりしない無料Wi-Fiには接続しない
- パスワードなしで誰でも接続できるWi-Fiでは、重要な操作を避ける
- 証明書の提出やカード情報の入力は、モバイル回線で行う
スマートフォンをなくしたら?退会時にやるべきこと
スマートフォンには婚活アプリのログイン情報やメッセージが入っています。紛失に備えて画面ロックを設定し、なくした時は遠隔ロックやパスワード変更を行いましょう。退会する時は、連携や決済の解除も忘れずに。
📱 スマホを紛失したら
- 遠隔ロック・位置確認
- 婚活サービスのパスワード変更
- ログイン中の端末をログアウト
- 必要に応じて運営へ連絡
🚪 退会する時
- 退会手続き
- SNSなどの連携の解除
- 決済(自動更新)の解除
- 保存されている情報の扱いを確認
- 関連するメールの整理
婚活現場で想定されるリアルケース
婚活サービスの利用で起こり得る情報管理のトラブルを、想定ケースとして6つ紹介します。
※以下は、起こり得る状況を説明するための想定ケースです。実在の事件・特定の企業の事案ではありません。
想定ケース1|パスワードの使い回し
- 状況
- 同じパスワードを、ネットショップや婚活サービスなど複数のサービスで使っていた。
- 起きたこと
- 別のサービスからの漏えいをきっかけに、婚活サービスへ不正ログインされた。
- 防ぎ方
- サービスごとに異なるパスワードを使い、多要素認証を設定する。
想定ケース2|本人確認を装うフィッシングメール
- 状況
- 「本人確認が必要です」というメールが届いた。
- 起きたこと
- リンク先の偽サイトにIDとパスワードを入力してしまった。
- 防ぎ方
- メールのリンクは開かず、公式アプリや公式サイトから確認する。
想定ケース3|写真に勤務先が写り込んでいた
- 状況
- プロフィール写真の背景に、勤務先のロゴが小さく写っていた。
- 起きたこと
- やりとりした相手に勤務先を特定され、不安を感じた。
- 防ぎ方
- 登録前に写真の背景を確認する。
想定ケース4|スタッフによるメールの誤送信
- 状況
- スタッフが、会員の資料を添付したメールを別の相手に送ってしまった。
- 防ぎ方(事業者側)
- 送信前の確認ルール、添付ファイルの暗号化、送信方法の見直しを行う。
想定ケース5|共有クラウドの設定ミス
- 状況
- 社内で使うはずの共有フォルダが、リンクを知っていれば誰でも見られる設定になっていた。
- 防ぎ方(事業者側)
- 共有範囲を定期的に点検し、不要な公開設定をなくす。
想定ケース6|退会後もパスワードを使い続けていた
- 状況
- 婚活サービスを退会した後も、同じパスワードを他のサービスで使い続けていた。
- 防ぎ方
- 退会したサービスで使っていたパスワードは、他のサービスでも使わないようにする。
データで見る「婚活と個人情報」の意識
婚活サービスの利用者が、個人情報についてどう感じ、何をしているのかを分かりやすく示すため、モデルアンケートを作成しました。
以下は記事理解を助けるために作成した編集上のモデルデータであり、実在する調査結果ではありません。数値は傾向を説明するためのイメージであり、引用・転載の際は実測値として扱わないでください。
モデルアンケート①|個人情報の登録に不安はある?
質問:婚活サービスへ個人情報を登録することに不安はありますか?(想定回答者:婚活サービスの利用経験がある男女/単一回答)
モデルアンケート②|特に漏えいしてほしくない情報
質問:特に漏えいしてほしくない情報は何ですか?(想定回答者:婚活サービスの利用経験がある男女/複数回答)
「少し不安」「非常に不安」を合わせて多数派とし、漏えいしてほしくない情報の上位に「住所」「本人確認書類」「顔写真」を置いています。婚活の情報は、生活と身元に直結するという考え方に基づく構成です。
モデルアンケート③|サービス選びでセキュリティを確認した?
質問:婚活サービスを選ぶ時、セキュリティや個人情報の扱いを確認しましたか?(想定回答者:婚活サービスの利用経験がある男女/単一回答)
モデルアンケート④|安全面で重視する項目
質問:婚活サービスの安全面で重視する項目は何ですか?(想定回答者:婚活サービスの利用経験がある男女/複数回答)
セキュリティを「確認していない」「何を見ればよいか分からない」が多い構成にしています。不安はあっても、何を確認すればよいか分からないという現場の実感を反映しています。
モデルアンケート⑤|自分で行っている対策
質問:婚活サービスを使う時、自分で行っている対策は何ですか?(想定回答者:婚活サービスの利用経験がある男女/複数回答)
自分で行っている対策では、「住所非公開」などの公開範囲の工夫が上位、「パスワード変更」「多要素認証」が下位という構成です。アカウントを守る対策は、まだ伸びしろがあることを示すイメージです。
アンケートから見える「情報をどこへ預けるか」という視点
モデルデータで伝えたかった結論は、次のとおりです。
アンケートの考察
婚活では相手選びだけでなく、“自分の情報をどこへ預けるか”も婚活サービス選びの一部
多くの人が情報の登録に不安を感じながらも、サービス選びの段階でセキュリティを確認できていないのが現状だと考えられます。この記事のチェックリストを使って、一つでも確認してみることから始めてみてください。
まとめ|出会いの安心と、情報の安心
婚活サービスの安全性は、アプリか相談所かではなく、預ける情報、事業者の管理、委託先、認証、事故時の対応、そして自分自身の情報管理で決まります。この記事のポイントをまとめます。
- 企業への不正アクセスが相次いでいる(IPAが2026年10月9日に注意喚起)
- 大量の個人情報を持つオンラインサービスは攻撃対象になり得る
- 婚活サービスは機微な情報を多く扱う
- アプリだから危険とは限らない
- 相談所だから絶対安全でもない
- 本人確認の厳格さとサイバーセキュリティは別
- 委託先のリスクもある
- プライバシーポリシーを確認する
- 多要素認証を設定する
- パスワードを使い回さない
- プロフィールで公開する情報にも注意する
- 万一の通知が来たら、公式情報で確認して迅速に対応する
- サービス選びに「セキュリティ」の視点を加える
婚活では、“誰に自分の人生を預けるか”を真剣に考えます。同じように、“どのサービスに自分の情報を預けるか”も、これからの婚活では真剣に考えるべき時代です。出会いの安心と、情報の安心。その両方があってこそ、安心して婚活に集中できるのだと思います。
婚活サービスの個人情報・セキュリティに関するよくある質問(FAQ)
マッチングアプリに個人情報を登録して大丈夫ですか?
一概に危険とは言えません。多くのサービスで本人確認や通信の暗号化、不正検知などの対策が取られています。ただしゼロリスクではないため、プライバシーポリシーで利用目的や保存期間を確認し、パスワードを使い回さず、多要素認証を設定し、プロフィールに個人情報を書きすぎないようにしましょう。
結婚相談所に本人確認書類を預けても大丈夫ですか?
本人確認書類の提出は、身元確認や既婚者対策のために一般的に行われています。不安な場合は、何のために使うのか、どこにどう保存するのか、誰が見られるのか、退会後はどうなるのかを入会前に確認しましょう。誠実に説明してくれる相談所を選ぶことが大切です。
マッチングアプリから個人情報が漏れることはありますか?
インターネットを利用するサービスである以上、可能性はゼロではありません。不正アクセスのほか、設定ミスや委託先の問題が原因になることもあります。また、利用者自身がプロフィールや写真で公開した情報から特定されることもあるため、サービス側と自分側の両方で対策することが大切です。
結婚相談所なら情報漏えいの心配はありませんか?
心配がゼロということはありません。結婚相談所もPC・メール・クラウド・顧客管理システム・外部委託先などを使う以上、一定のリスクがあります。本人確認が厳しいことと、情報をサイバー攻撃から守れることは別の問題です。情報の管理方法を確認して選びましょう。
独身証明書にはどんな情報がありますか?
独身証明書は、民法第732条(重婚の禁止)に抵触しないことを、本籍地の市区町村などが証明する書類です。主に氏名・生年月日・本籍などが記載され、本人しか取得できません。記載内容や取得方法は自治体によって異なる場合があるため、各自治体の案内をご確認ください。
年収証明書を提出しても大丈夫ですか?
年収証明書は、プロフィールの信頼性を高めるために提出を求められることがあります。提出前に、どの書類が必要か、どの部分を見るのか、どう保存されるのか、他の会員に何が公開されるのかを確認しましょう。必要のない情報が含まれる場合は、提出方法を相談してもかまいません。
マッチングアプリの本人確認書類はどう保存されますか?
保存の方法や期間はアプリによって異なります。各アプリのプライバシーポリシーやヘルプページに、利用目的・保存期間・削除の方法が記載されていることが多いので、登録前に確認しましょう。記載が分かりにくい場合は、運営の問い合わせ窓口に質問してみてください。
退会すると本人確認書類は削除されますか?
退会と同時にすべて削除されるとは限りません。法令やサービスの規定により、トラブル対応などのために一定期間保存される場合があります。個人情報保護法では、不要になった個人データは遅滞なく消去するよう努めることとされています。退会前に各社のプライバシーポリシーで確認しましょう。
二要素認証は設定した方がいいですか?
はい、サービスが対応していれば設定することをおすすめします。パスワードに加えて別の確認を求めることで、パスワードが漏れても不正ログインされにくくなります。ただし万能ではないため、届いた確認コードを偽サイトに入力しないなど、フィッシングへの注意もあわせて行いましょう。
同じパスワードを使ってはいけませんか?
使い回しは避けましょう。一つのサービスから漏れたIDとパスワードが、別のサービスへの不正ログインに使われることがあります(パスワードリスト攻撃)。婚活サービスは機微な情報を扱うため、特に他と分けることが大切です。パスワードマネージャーを使うと管理しやすくなります。
LINEで身分証を送って大丈夫ですか?
相談所の指定がない限り、本人確認書類などの機微な証明書は、LINEで送らない方が安心です。日常的な相談と、証明書の提出は分けて考えましょう。サービスに専用のアップロード機能がある場合は、原則そちらを使い、どう保存されるかも確認しておくと安心です。
メールで独身証明書を送って大丈夫ですか?
メール添付は、誤送信や受信側の端末からの流出などのリスクがあり、絶対安全とは言えません。サービス指定のアップロード機能がある場合は、そちらを優先しましょう。メールでの提出を求められた場合は、送付先が正しいか、受け取った後にどう保管されるかを確認すると安心です。
プライバシーマークがあれば安全ですか?
プライバシーマークは、個人情報を適切に扱う体制が整っている事業者に付与される制度で、一定の管理体制を確認する材料の一つになります。ただし、事故が起きないことを保証するものではありません。認証の有無に加えて、質問した時に具体的に説明してくれるかも確認しましょう。
ISMS認証とは何ですか?
ISMS認証は、組織の情報セキュリティを管理する仕組みが、国際規格ISO/IEC 27001に沿っていることを第三者が認証する制度です。リスクを洗い出して対策を続ける仕組みがあることの目安になりますが、事故ゼロを保証するものではありません。取得の有無は各サービスの公式情報で確認しましょう。
HTTPSなら安全ですか?
HTTPSは通信を暗号化し、途中での盗み見を防ぐためのものです。サービス全体の安全性を保証するものではありません。偽サイトでもHTTPSは使えるため、鍵マークがあるだけで本物と判断するのは危険です。URLが公式のものかどうかも必ず確認しましょう。
大手マッチングアプリなら安全ですか?
大手だから絶対安全とは言えません。大手は対策の予算が大きい場合がある一方、保有データが多いため攻撃の標的にもなり得ます。規模より、プライバシーポリシー、多要素認証への対応、漏えい時の対応方針などを個別に確認することが大切です。
大手結婚相談所なら安全ですか?
大手だから絶対安全とは言えません。規模や知名度とセキュリティの品質は必ずしも一致しません。本人確認書類の保存方法、閲覧できる人の範囲、委託先、事故時の窓口などを確認しましょう。質問に具体的に答えてくれるかどうかも、大切な判断材料です。
小規模結婚相談所は危険ですか?
小規模だから危険とは限りません。保有するデータが少ない場合もある一方、相談所によって体制には差があります。スタッフの端末管理、証明書の受け取り方法、保管方法、退会後の扱いなどを入会前に質問し、誠実に説明してくれる相談所を選びましょう。
情報漏えいしたら何をすればいいですか?
まず公式サイトや公式アプリで、漏えいした項目を確認します。そのうえでパスワードを変更し、同じパスワードを使っている他のサービスも変更、多要素認証を設定しましょう。カード情報が含まれる場合は明細を確認し、漏えいに便乗した不審なメールにも注意します。
漏えい通知メールが来たらどう確認しますか?
通知メールのリンクは開かず、自分でブックマークした公式サイトや公式アプリから、お知らせが出ているか確認しましょう。漏えいの通知を装ったフィッシングメールが送られてくることもあります。メールに書かれた電話番号やURLではなく、公式の連絡先を使うことが大切です。
本人確認書類が漏えいしたらどうすればいいですか?
サービス運営の公式発表で、どの書類のどの情報が含まれるか確認し、運営の案内に沿って対応しましょう。身に覚えのない契約や請求がないか注意し、不審な連絡には応じないことも大切です。被害が疑われる場合は、警察相談専用電話#9110や消費生活センター188に相談してください。
クレジットカード情報が漏れた場合は?
カード裏面に記載されたカード会社の公式窓口に連絡し、利用明細に身に覚えのない請求がないか確認しましょう。必要に応じてカードの利用停止や再発行を相談できます。連絡先は、メールに書かれた番号ではなく、カード裏面やカード会社の公式サイトで確認してください。
婚活サービスを選ぶ時に確認すべきことは?
料金・会員数・成婚実績・サポートに加えて、個人情報の扱いも確認しましょう。プライバシーポリシー、利用目的、第三者提供、委託先の管理、保存期間、アカウント認証、通信の暗号化、問い合わせ窓口、漏えい時の対応、第三者認証の有無などが確認ポイントです。
マッチングアプリと結婚相談所ではどちらが安全ですか?
一概には決まりません。アプリは利用者同士で公開する情報が多く、相談所は預ける証明書が多い、という違いがあります。本人確認の厳格さとサイバーセキュリティの強さは別の問題です。どちらを選ぶ場合も、個別のサービスの管理体制と、自分自身の情報管理を確認しましょう。
婚活プロフィールに勤務先を書いても大丈夫ですか?
会社名や支店名まで書くのは避けた方が安心です。「東京都・会社員」「IT系企業勤務」程度であれば、特定されるリスクは低くなります。勤務先は、何度か会って信頼できると感じてから伝えれば十分です。写真の背景に勤務先のロゴなどが写り込んでいないかも確認しましょう。
顔写真から住所が特定されることはありますか?
可能性はあります。写真の背景に写った景色や建物、駅の看板、車のナンバー、写真データの位置情報などから、住まいや生活圏が推測されることがあります。登録前に背景を確認し、スマートフォンの設定で位置情報の記録をオフにするなどの対策をしておきましょう。
情報漏えいが怖いなら婚活サービスを使わない方がいいですか?
使わない方がいい、とまでは言えません。どのオンラインサービスにも一定のリスクはありますが、事業者の対策と自分の対策を組み合わせることで、リスクは下げられます。管理体制をきちんと説明してくれるサービスを選び、パスワードや多要素認証など自分でできる対策を行いましょう。
🔏 不安なことは、契約前に聞いて大丈夫です
婚活サービスを選ぶ時、多くの方は料金・会員数・成婚実績・サポートを比較します。しかし、これからは“自分の大切な情報を安心して預けられるか”も確認したい項目の一つです。
個人情報の扱いや、入会時にどの書類を提出するのか不安がある場合は、契約前に相談所へ直接確認して問題ありません。
フォリパートナーの無料相談でも、入会時に必要な書類や、その扱いについてのご質問をお受けしています。気になることは遠慮なくお聞きください。入会を前提にしなくても大丈夫です。
※本記事のサイバーセキュリティに関する情報は、IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月29日)、IPAの注意喚起(2026年10月9日)、個人情報保護委員会の注意喚起(2026年10月7日)および「漏えい等報告・本人への通知の義務化について」などの公表資料(2026年10月27日時点で確認)に基づきます。最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定のサービスの安全性を保証・評価するものではありません。法的・技術的な助言ではないため、具体的な対応は各サービスの窓口や公的機関、専門家にご相談ください。特定の企業の漏えい事案は扱っていません。
※記事中のケースは、起こり得る状況を説明するための想定ケースです。モデルアンケートは記事理解を助けるために作成した編集上のモデルデータであり、実在する調査結果ではありません。



