平均年収別の
成婚率ギャップ分析
── 「年収神話」とデータが示す本当の成婚ルート
しかし結婚相談所のデータが示すのは、年収だけでは説明できない成婚の構造だった。
日本の婚活市場では、長年「男は年収、女は年齢」という通説が広く信じられてきました。実際、内閣府『令和4年版少子化社会対策白書』によれば、年収900万円以上の30代後半男性の約9割が既婚者 であり、年収が有配偶率に与える影響は否定しようがありません。
しかし、IBJが公表した最新の成婚白書データを詳細に分析すると、この「年収神話」は、ある閾値を超えると機能しなくなり、むしろ「年齢」という別の軸が成婚率を大きく左右する事実が見えてきます。本レポートでは、公的統計とIBJ約2万人の婚活ビッグデータをもとに、年収と成婚率の複雑な関係を7つのステップで解明します。
- 現状把握 ─ 「年収が高ければ結婚できる」は本当か
- データ検証 ─ IBJ成婚白書が示す年収別成婚率のリアル
- 男女のギャップ ─ なぜ男女で「年収の意味」が違うのか
- 年収×年齢のクロス分析 ─ 年齢が年収優位性を相殺する
- 業界のリアル ─ 結婚相談所の年収水準と社会平均のギャップ
- 3つの落とし穴 ─ 「年収神話」に惑わされる人々
- 提言 ─ 年収ギャップ時代の戦略的な婚活
「年収が高ければ結婚できる」は本当か
まず、一般社会のデータから見ていきましょう。内閣府『令和4年版少子化社会対策白書』に掲載された男性の年収別有配偶率のデータは、衝撃的な事実を示しています。
この数字は明確です。30代後半男性で年収300万円未満の層では有配偶率は3割程度にとどまる一方、年収900万円以上の層では9割以上が既婚 という状態。差は実に3倍です。日本経済新聞の分析でも、30代男性の未婚率は所得によって「17〜76%」と最大4倍もの差が生じていることが示されています。
年収による結婚格差は近年さらに拡大
この「年収格差」は、近年ますます拡大しています。2020年の国勢調査データでは、男性の30代前半の未婚率は47.4%(ガベージニュース 2025年)と、ほぼ半数が未婚という状態です。そして低所得層ほど未婚率が高く、高所得層ほど既婚率が高いという構造が鮮明になっています。
一方で、doda調べの2024年データでは、日本の 30代の平均年収は454万円 にとどまっています。年収500万円以上の男性は30代前半では全体の半数程度しか存在しないのが現実です。つまり、「結婚に有利」とされる年収水準は、標準的な日本人男性にとって決して容易には達成できない水準 にあるということです。
IBJ成婚白書が示す年収別成婚率のリアル
IBJが2025年4月に公表した「成婚白書2024年度版」では、同社プラットフォーム内で2024年に成婚した 15,374名 のビッグデータを分析し、年収と成婚率の詳細な関係を明らかにしました。結論を先に言えば、「男性は年収が高いほど成婚率が高い」という傾向は確かに存在します。ただし、その関係は一般社会で想像されるほど単純ではないのです。
男性の年齢×年収別成婚率
IBJ成婚白書2024年度版の図2_11では、男性年齢層と年収層ごとの成婚率が示されています。注目すべきは以下のデータです。
| 男性年齢 | 年収500万円台 | 年収800〜900万円 | ポイント差 |
|---|---|---|---|
| 30〜34歳 | 約50%超 | 約60%超 | 約10pt |
| 35〜39歳 | 約40%台 | 約55%前後 | 約15pt |
| 40〜44歳 | 約30%台 | 約45%前後 | 約12pt |
このデータから見えるのは、「年収800〜900万円の30〜34歳男性」と「同じ年収の40〜44歳男性」を比較すると、後者の成婚率は約12ポイント低い という事実です。つまり、高年収であっても、年齢が10歳違えば成婚率は大きく異なるのです。
女性の成婚率は年収よりも年齢が決定要因
より衝撃的なのは、女性の成婚率の構造です。IBJ成婚白書2024年度版によれば、女性の年収に応じた成婚率の差はほとんど見られない という結果になりました。年収が高い女性も、低い女性も、成婚率はさほど変わらないのです。
一方、年齢別に見ると劇的な差があります。女性20代の成婚率は 約70%、年収が低くても 約45%。しかし35歳を超えると、年収に関係なく成婚率は急減します。つまり、女性にとって「年収」は成婚の決め手にはならず、「年齢」こそが決定的な要因 であることが、ビッグデータから明確に示されているのです。
この事実は、女性が婚活戦略を立てる上で極めて重要な示唆を与えます。仕事を頑張って年収を上げる努力は素晴らしいですが、その努力が成婚率に直接反映されるわけではない という現実を認識しておく必要があります。むしろ、結婚を真剣に考えているなら、キャリア形成と並行して、若いうちから婚活にも一定のリソースを振り分けることが、データに基づく合理的な戦略と言えます。
コロナ禍前後での構造変化
IBJ成婚白書2024年度版では、興味深い変化も報告されています。2017〜2019年(コロナ禍前)と2024年を比較すると、男性の年収による成婚率の差が、コロナ禍前よりも緩やかになっている のです。つまり、近年の婚活市場では、年収だけでなく「年齢」や「人格」「価値観」といった要素が、成婚の決定に以前よりも大きく影響するようになっています。
この変化の背景には、共働き世帯の増加、女性の経済的自立、結婚に対する価値観の多様化などがあります。「男性の高年収」に依存しない結婚スタイルを志向する女性が増えていることが、年収の相対的な影響力を低下させているのです。
なぜ男女で「年収の意味」が違うのか
IBJ成婚白書が示す男女の非対称性──「男性は年収×年齢で評価され、女性は年齢のみで評価される」という構造は、なぜ生まれるのでしょうか。これは偶然ではなく、日本社会の結婚観に根差した構造的な現象です。
男性:「稼得能力」という評価軸
日本社会では依然として、男性に対しては「家族を養う経済力」を期待する価値観 が根強く残っています。特に結婚相談所という「将来の結婚」を前提とした場では、男性の年収は将来の家計の安定性を示す指標として重視される傾向が強いのです。
IBJの調査では、結婚相談所に在籍する男性のうち 年収600万円以上が全体の約半数 を占めています(2025年1月時点)。日本全体の男性平均年収(doda調べで481万円)と比較すると、結婚相談所の男性会員は明らかに高所得層に偏っているのです。これは、結婚相談所を利用する女性が、「年収600万円以上」を一つの基準として考えているため、これ以下の年収の男性はそもそもマッチングが成立しにくく、結果として登録も少ないという需給バランスを反映しています。
女性:「年齢」という時限性のある評価軸
一方、女性に対しては年齢が重視される傾向が強く、特に出産可能年齢という生物学的制約が関係します。IBJ成婚白書2025年版によれば、成婚者の代表的な女性像は 34歳。つまり、34歳頃までに成婚する女性が多数派であり、それ以降は成婚率が急減するのです。
この傾向には、結婚相談所を利用する男性側のニーズも大きく影響しています。IBJデータでは、男性は成婚相手として年下女性を選ぶ傾向が顕著 です。具体的には次のような年齢差のパターンが示されています。
| 男性年収 | 相手女性との年齢差 | 具体例(男性35歳の場合) |
|---|---|---|
| 年収300〜500万円 | −1〜2歳 | 33〜34歳の女性 |
| 年収650万円(代表値) | −3歳 | 32歳の女性 |
| 年収1,000万円未満 | −4歳 | 31歳の女性 |
| 年収900〜1,500万円 | −4〜5歳 | 30〜31歳の女性 |
| 年収2,000万円以上 | −8歳まで可能 | 27歳の女性 |
このデータが示すのは、「男性の年収が高いほど、より若い相手を選びやすくなる」 という現実です。逆に言えば、高年収男性から希望される「若い女性」という希少枠を巡る競争が、女性側の成婚市場を年齢軸で序列化している 構造が見えてきます。
結婚相談所と自然出会いの「年収ハードル」の違い
興味深いのは、結婚相談所と自然な出会いでは「年収の意味」が異なるという点です。自然な出会い(職場・友人の紹介・マッチングアプリなど)では、互いの人柄や生活スタイルを経て関係が深まる中で結婚に至るため、相手の年収を詳しく知らないまま関係を築くケースも多くあります。
一方、結婚相談所では、プロフィールに年収が明記され、「年収を一つの重要な条件として選別する」仕組み になっています。これは、結婚という将来の経済的パートナーシップを前提とする場での合理的なシステムですが、結果として年収が成婚に直接影響する構造が生まれます。
この違いを踏まえると、年収が平均的な男性にとっては、結婚相談所という「年収が見える場」よりも、人柄で勝負できる自然な出会いの方が有利 とも言えます。しかし現実には、若年人口減少下で自然な出会いは急減しており、結婚を真剣に考えるなら、結婚相談所の活用が避けられない選択肢となっているのです。
年収差と年齢差のトレードオフ
IBJ成婚白書は、「年収が上がると年齢差が広がる」という明確なトレードオフを示しています。これを別の角度から解釈すると、男性は次の2つのルートのどちらかで成婚に向かうということです。
ルート①「同世代ルート」:自分と年齢の近い(−1〜3歳程度)女性をパートナーに選ぶ。この場合、年収はそれほど重要ではなく、年齢・人柄・価値観の一致が決め手になります。年収が平均的な男性には、このルートが現実的です。
ルート②「年収で補うルート」:自分より5歳以上年下の女性をパートナーに選ぶ。この場合、年収が重要な要素となり、一般的に年収700万円以上が目安となります。年齢差が大きいほど、年収の要求水準も上がる構造です。
自分がどちらのルートを目指すかを明確にすることが、婚活戦略の出発点となります。
婚活の現場で、30代女性の会員から「なぜ40代男性から申し込みが多いのか」という相談をよくいただきます。この答えは、データが示しています。結婚相談所に登録する男性には「高年収×高年齢」が多く、彼らは4〜5歳年下の女性を希望するため、結果として30代前半の女性が40代男性から多く申し込まれるのです。
これは「個人の好み」というより「市場全体の需給バランス」の結果です。だからこそ、自分の属性が市場で「どの層から求められやすいか」を理解することが、戦略的な婚活の第一歩になります。
年齢が年収優位性を相殺する
Section 2で触れた通り、IBJデータでは「年収800〜900万円の30〜34歳」と「同じ年収の40〜44歳」では、年収が同じでも成婚率が約12ポイント異なる ことが示されました。これは婚活における極めて重要な事実です。つまり、「年収」と「年齢」は独立して機能するのではなく、掛け合わせで成婚率を決定する のです。
年収より年齢のインパクトが大きい年代
IBJ成婚白書2024年度版を細かく分析すると、以下のような年代別のインパクト構造が見えてきます。
この構造から、いくつかの重要な示唆が得られます。
示唆① 20代後半〜30代前半は「年収より年齢の有利さ」
20代後半〜30代前半の男性は、年収が500万円台でも成婚率が50%を超えるケースが多く、逆にこの年齢帯では年収1,000万円以上でも成婚率が劇的に上がるわけではありません。つまり、20代〜30代前半の男性にとって、最大の武器は「若さ」そのもの であり、年収の重要性は相対的に下がります。
示唆② 35〜39歳で年収の格差が最も顕著に
35〜39歳になると、年収による成婚率の差が最も大きく出ます。年収500万円台の男性と年収800万円台の男性では、成婚率に10〜15ポイントもの差が生じるのです。この年代は「年齢の不利」を「年収の優位性」で補う必要があり、年収が成婚率の決定要因として最も強く機能する時期です。
示唆③ 40代以降は年収でも補えない
40代に入ると、どれだけ年収が高くても成婚率の回復は限定的になります。年収2,000万円以上の男性であっても、相手として希望する女性の年齢差(−8歳まで可能)が広がるだけで、全体的な成婚率そのものが劇的に上がるわけではありません。40代の成婚には、年収以外の要素(誠実さ、共感力、コミュニケーション能力など)がより重要 になってきます。
女性の年齢別成婚率:「35歳の壁」の正体
女性の年齢別成婚率を見ると、「35歳の壁」 と呼ばれる現象が明確に観察されます。20代〜34歳までは比較的高い成婚率を維持するものの、35歳を超えると急減。これは出産適齢期を意識する男性側の希望と、婚活市場における希少価値の変化が複合的に作用した結果です。
一方、女性にとっての救いは、年収が成婚率にほとんど影響しないということ。つまり、女性は「年収を上げて成婚率を上げる」という戦略が機能しないため、行動を急ぐこと、若い段階で意思決定することが、最も確実な戦略になるのです。
逆に女性の「年収の高さ」が課題になるケース
一方、女性側には「年収が高いことで婚活が難しくなる」という逆説的な現象も存在します。これは、「自分と同等以上の年収の男性」を求めがちになる ためです。
たとえば、年収800万円の35歳女性が「自分と同等以上の年収」「年齢は+2〜3歳以内」を条件に設定した場合、マッチングの対象は「年収800万円以上の35〜38歳男性」となります。結婚相談所内でこの条件に該当する男性は限られており、さらに彼らは「年下女性」を希望することが多いため、マッチングが成立しにくいのが現実です。
高年収女性にとっての現実的な戦略は、以下の2つに集約されます。
①「年収の条件を外す」戦略:自分より年収が低い男性も視野に入れる。共働きで家計を支える前提なら、合計世帯年収は十分に確保できます。
②「年齢の条件を広げる」戦略:自分より年上、もしくは年下10歳以上も含めた広いレンジで相手を探す。年収条件を厳しくする分、年齢条件を緩める発想です。
男性の年齢×年収マトリックス:どの属性が有利か
IBJデータを踏まえて、男性の年齢×年収マトリックスを整理すると、以下のようになります。
| 属性 | 市場での強み | 推奨戦略 |
|---|---|---|
| 20代×年収500万円台 | 若さが最大の武器 | 条件を絞らず幅広くお見合い |
| 30代前半×年収500-700万円 | 年齢×年収のバランス最適 | 積極的に申込み、短期決戦 |
| 30代後半×年収700万円超 | 高所得男性としての競争力 | 年下女性への申込みが有効 |
| 40代×年収1,000万円超 | 高所得+経験の魅力 | 30代女性をメインターゲット |
| 40代×年収500-700万円 | 人格的魅力で勝負 | 同年代以上も視野に |
結婚相談所の年収水準と社会平均のギャップ
ここまで見てきたIBJのデータは、すべて「結婚相談所の会員」という特定の母集団に関するものです。この母集団が、日本の一般社会とどれほど異なるかを理解することは、戦略的な婚活の鍵となります。
結婚相談所の男性は「高所得層」に偏っている
IBJの公表データによれば、加盟4,500社超の結婚相談所に在籍する男性のうち、年収600万円以上が全体の約半数 を占めます。これを日本全体の統計と比較してみましょう。
| 年収 | 日本の30代男性全体 | 結婚相談所男性会員 | ギャップ |
|---|---|---|---|
| 〜400万円 | 約40% | 約15% | 大幅に少ない |
| 400〜600万円 | 約35% | 約35% | 同水準 |
| 600〜800万円 | 約15% | 約25% | 明確に多い |
| 800万円以上 | 約10% | 約25% | 大幅に多い |
※上記は概算の比較値。日本全体は国税庁・doda調査、結婚相談所はIBJ公表データを参考に総研試算。
つまり、結婚相談所という場は、日本社会の平均と比べて明らかに高年収の男性が集まる場 です。これは、結婚相談所を利用するための経済的ハードル(入会金・月会費・成婚料の合計で数十万円規模)と、「結婚に本気」という動機が、一定以上の経済的安定を背景にすることが多いためです。
女性にとっての意味
女性にとって、この「高年収男性の集中」は重要な意味を持ちます。一般社会では「年収600万円以上の30代男性」は希少(全体の約25%程度)ですが、結婚相談所では全体の約半数を占める からです。つまり、結婚相談所に登録するだけで、自然な出会いでは遭遇しにくい層へのアクセスが可能になる のです。
男性にとっての意味
一方、男性にとっては、結婚相談所は「高年収の男性同士での競争の場」という側面も持ちます。年収400万円台の男性が登録した場合、同じ市場には年収800万円の男性もいるため、単純な年収比較では不利になる可能性があります。そのため、年収以外の強み(人柄、年齢、生活スタイル、価値観など)を打ち出す戦略 が重要になってきます。
結婚相談所の入会費用と年収の関係
結婚相談所の料金体系は、初期費用(入会金10〜20万円)、月会費(1〜2万円)、お見合い料(0〜5千円/件)、成婚料(20〜30万円)の構成で、1年間活動した場合の総額は50〜100万円程度となるのが一般的です。これは決して安くない投資ですが、成婚という具体的な成果に対する投資 として捉えると、年収に対する比率で判断できます。
年収500万円の男性が結婚相談所で年間80万円を投資する場合、これは年収の16%に相当します。一方、年収1,000万円の男性にとっては年収の8%。年収が高いほど、結婚相談所への投資の経済的負担感は軽くなります。これも、結婚相談所に高年収男性が多い理由の一つです。
ただし、結婚相談所の投資対効果 を考えれば、年収に関わらず合理的な選択肢であることは変わりません。1〜2年の婚活投資で生涯のパートナーを得られるなら、他のどの投資よりも重要な意思決定と言えます。
女性の入会タイミング戦略
女性にとって、結婚相談所への入会タイミングは成婚率に直結します。IBJデータから逆算すると、以下のようなタイミング戦略が見えてきます。
| 入会年齢 | 標準活動期間 | 想定成婚年齢 | 成婚可能性 |
|---|---|---|---|
| 26〜28歳 | 6〜12ヶ月 | 27〜29歳 | 最も高い(70%超) |
| 29〜31歳 | 6〜12ヶ月 | 30〜32歳 | 高い(60%前後) |
| 32〜34歳 | 9〜15ヶ月 | 33〜35歳 | 中程度(50%前後) |
| 35〜37歳 | 12〜18ヶ月 | 36〜38歳 | 急減(30〜40%) |
| 38歳以上 | 18〜24ヶ月 | 40歳前後 | 20%台に低下 |
このマトリックスから明らかなように、「30歳前後」が結婚相談所の戦略的な入会タイミング と言えます。この時期に入会して1〜2年活動することで、30代前半のうちに成婚する確率が最も高くなります。
確かにIBJ会員の男性の約半数は年収600万円以上です。しかし残りの約半数は年収600万円未満であり、彼らも着実に成婚しています。重要なのは、年収ではなく「戦略」 です。
年収400万円台でも、誠実さ・清潔感・若さ・行動力といった強みを持つ男性は、結婚相談所で十分に成婚のチャンスがあります。むしろ一般社会では出会いの機会すら限られる現代において、結婚相談所という「真剣な相手に出会える場」にアクセスすることが、年収以上に重要な要素になりつつあります。
「年収神話」に惑わされる人々
婚活の現場で日々多くの方と接していると、年収に関する「思い込み」が婚活を長引かせている例に頻繁に遭遇します。ここでは、特に多い3つの落とし穴を取り上げ、データをもとに解説します。
落とし穴① 女性側:「年収600万円以上」に固執しすぎる
結婚相談所に登録する女性の多くは、希望条件として「年収600万円以上」を挙げます。確かに結婚相談所にはこの層が多く在籍していますが、問題はその中で 「年齢30代前半まで」「身長170cm以上」「学歴大卒以上」「長男以外」 といった複数条件を重ねてしまうことです。
条件を重ねるごとに、該当する男性の数は急減します。たとえば「年収600万円以上」の30代前半男性が結婚相談所内に100人いたとして、そこに「身長170cm以上」を加えると約60人、さらに「長男以外」を加えると約30人、「学歴大卒以上」も加えると約15人しか残らない、という具合です。条件を厳しくしすぎると、30代前半のうちに成婚できない可能性が大幅に高まります。
落とし穴② 男性側:「年収が低いから結婚できない」と諦める
30代前半の男性で年収400〜500万円の方から、「自分の年収では婚活しても無理だろう」という諦めの声を聞くことがあります。しかしIBJデータが示すのは、30代前半の男性は、年収500万円台でも成婚率50%超 という現実です。
日本の30代男性の平均年収は454万円(doda調べ)。結婚相談所の男性会員は確かに高年収層が多いですが、女性側が必ずしも年収だけで選んでいるわけではありません。特に 年齢、清潔感、コミュニケーション能力、将来性、誠実さ などの要素は、年収と同等かそれ以上に重視されます。年収を理由に婚活を諦めるのは、戦略的に見て大きな機会損失です。
落とし穴③ 男性側:「高年収なら何歳でも有利」と勘違い
逆に、40代以降の男性で「自分は年収1,000万円超だから若い女性と結婚できる」と考える方もいます。確かにIBJデータでは、年収2,000万円以上の男性は−8歳まで可能という傾向があります。しかし、これは 年収2,000万円以上の極めてトップクラスの層 に限定された話です。
年収1,000万円未満の40代男性の場合、成婚相手との年齢差は −4〜6歳 が現実的な範囲。つまり、45歳男性なら39〜41歳の女性が主なターゲットになります。ここで「20代女性と結婚したい」と強く希望しすぎると、そもそもマッチングが成立せず、婚活が長期化する結果になります。
落とし穴④ 「年収証明書の読み方」を知らない
結婚相談所では、男性は入会時に 年収証明書(源泉徴収票など)の提出 が必須です。これにより、プロフィールに掲載される年収は「正確な数字」であることが保証されます。しかし、ここにも注意すべき点があります。
結婚相談所の年収表記は、多くの場合「前年の確定年収」です。つまり、現在の月給ベースから計算する年収と、前年の年収(ボーナスや各種手当含む)は異なる場合があります。転職直後や、大幅な昇進があった場合、実際の手取りや生活水準と年収表記の印象にズレが生じることもあります。
女性の視点では、男性の年収を単純な数字だけで判断するのではなく、職業、安定性、将来性、家計管理能力 なども含めた総合評価が重要です。年収700万円でも浪費家の男性より、年収500万円で堅実な家計管理ができる男性の方が、家庭を築くパートナーとしては安定している可能性があります。
落とし穴⑤ 「年収の上昇」を期待しすぎる
婚活中の男性で、「もう少し年収が上がってから」と婚活を先延ばしにする方がいます。しかし、doda調べの平均年収推移を見ると、30代から40代にかけての年収上昇は 年間数万円レベル。つまり、1〜2年待っても年収は大きく変わらない可能性が高いのです。
一方、年齢は確実に1歳ずつ上がり、IBJデータが示す通り、年齢による成婚率の低下は年収の上昇でカバーできる幅を超えることが多々あります。「今の年収」と「今の年齢」で勝負する方が、結果的に成婚に近づく というのが、データから導かれる結論です。
◆ 落とし穴を避ける3つの鉄則
① 女性:「年収600万円以上」という条件だけを置き、他の条件は柔軟に。重ねすぎると母集団が急減します。
② 男性:年収が平均的でも、30代前半までなら十分に勝機あり。年齢という武器を活かすべし。
③ 高年収男性:自分の年齢が許容される範囲の女性をターゲットに。データから逆算した現実的な戦略を。
年収ギャップ時代の戦略的な婚活
ここまで見てきたように、年収と成婚率の関係は単純ではありません。一般社会では「年収と結婚」は強い正の相関を示すものの、結婚相談所という婚活市場では「年収×年齢×戦略」の三元論で成婚率が決まります。フォリパートナー総研としての提言をお示しします。
男性への提言
① 20代〜30代前半:若さを最大の武器として活用
この年代は、平均的な年収であっても成婚の可能性が最も高い時期です。若い女性からの人気も高く、年齢差を小さく設定できる強みがあります。結婚を考えているなら、この時期に行動することが最も効率的です。
② 35〜39歳:年収以外の強みを複合的に磨く
この年代は、年収による成婚率の差が最も大きく出ます。年収が平均的な場合は、外見・清潔感・コミュニケーション能力・生活スタイル・価値観の明確化など、複数の強みを組み合わせた総合力 で勝負することが重要です。
③ 40代以降:相手の年齢設定の現実化と、人格的魅力の訴求
40代以降は、自分の年齢と年収に見合った現実的な年齢設定が成婚の鍵です。また、この年代では「包容力」「安定感」「誠実さ」といった 人格的魅力 が、若年男性にはない武器になります。
女性への提言
① 年収の条件は1つだけに絞る
「年収600万円以上」という条件を設定したら、他の条件(身長・学歴・家族構成など)は柔軟にすることで、母集団を確保できます。逆に条件を重ねすぎると、30代後半になる前に意思決定できる候補が枯渇してしまいます。
② 30代前半までが「意思決定のタイムリミット」
女性のIBJ成婚率データを見ると、30代前半までは比較的高い水準 を維持しますが、35歳を超えると急減します。したがって、結婚を考えているなら、33歳頃までに成婚する というタイムラインを意識することが現実的です。結婚相談所で活動すれば半年〜1年以内の成婚が可能なので、32歳までに入会する計画が理想的です。
③ 自分の年収を強みとして活用する発想
IBJデータでは女性の年収による成婚率の差はほぼありません。しかし、自分の年収が高い女性は、相手男性に「自分と同等以上の年収」を過度に求めるのではなく、共働きで一緒に家計を支えられるパートナー という発想に切り替えることで、候補者層が大きく広がります。
業界・社会への提言
年収が成婚のハードルになる現状は、個人の努力だけでは変えられません。社会全体として、以下の取り組みが必要です。
① 若年層の所得向上:こども未来戦略でも言及されている通り、若い世代の所得向上が、結婚・出産の前提条件となります。政策的な賃上げ、非正規雇用の改善、教育費負担の軽減などが不可欠です。
② 結婚相談所の若年層アクセス改善:20代男性の入会率が直近5年で2.5倍に増加していますが、依然として「結婚相談所は高所得者のもの」という誤解があります。料金プランの多様化や、若年層向けのエントリーサービスを強化することで、より多くの若者が早期に戦略的な婚活を始められる環境を整える必要があります。
③ 「年収だけではない結婚」の価値発信:年収至上主義から、価値観・ライフスタイル・人格を重視する結婚観への転換は、結婚相談所業界が情報発信で担うべき役割でもあります。
「年収×年齢マトリックス」から導く個人戦略
最後に、自分の属性を客観的に把握するための「年収×年齢マトリックス」をご紹介します。以下の表で、自分のポジションと推奨戦略を確認してみてください。
◆ 属性別・成婚への最適アクション
「20代×年収問わず」:今がゴールデンタイム。即行動で半年〜1年以内の成婚を目指す。
「30代前半男性×年収500万円以上」:最も成婚率が高い属性。条件を絞らず幅広くお見合いを。
「30代前半女性×全年収」:年齢アドバンテージが残る最後のチャンス。33歳までに意思決定を。
「30代後半男性×年収700万円以上」:高所得を武器に、33〜35歳前後の女性をターゲットに。
「30代後半男性×年収500万円台」:人柄・誠実さを全面に出し、同世代以上も視野に。
「30代後半女性」:条件を一つに絞り、30代後半〜40代男性も含めた広い視野で活動を。
「40代男性×年収1,000万円超」:30代女性が現実的ターゲット。若さに固執せず、価値観の一致を重視。
「40代男性×年収1,000万円未満」:同年代の女性を中心に、人格的魅力で勝負。
「40代女性」:年収条件を外し、年齢レンジも広く。共働きを前提とした柔軟な戦略を。
年収と成婚率には明確な関係がありますが、これは「年収が低いから結婚できない」という断言ではありません。むしろ、データをもとに自分の現在地と戦略を客観的に把握できれば、最適な行動を選択できる ということを示しています。
20代で高年収でない男性は「若さ」という武器で勝負できる。30代前半の女性は「まだ高い成婚率」を活かせる。40代の男性は「人格的魅力」で差をつけられる。どの属性にも、戦略次第で成婚への道は残されています。
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- 株式会社IBJ「2025年 IBJ 成婚白書」2026年4月9日公表
- 内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書」2022年
- 内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」2021年9月30日
- 労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③—平成29年版『就業構造基本調査』より—」2019年
- 総務省統計局「令和2年国勢調査」2020年
- 厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」2025年9月16日公表
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」2025年
- 日本経済新聞「30代男性の未婚率、17〜76% 所得で最大4倍の差」2023年9月4日
- 株式会社パーソルキャリア「dodaの年齢別・年代別の年収情報【最新版】」2024年
- ガベージニュース「30代前半でも男性未婚率は約半数の47.4%」2025年2月22日
- ゴールドオンライン「年収900万円超の30代後半の男性、9割が既婚者」2024年9月12日
- 株式会社IBJ公式サイト「数字でIBJチェック」2025年2月




日本社会全体を見れば、男性の年収と結婚のしやすさは明確に相関します。これは長年にわたり日本社会で観察されてきた構造であり、残念ながらすぐには変わらない現実です。
しかし、本当に注目すべきは、「結婚相談所という婚活を目的とした市場では、この年収神話は必ずしも機能しない」 という事実です。次のセクションから、IBJ成婚白書の最新データをもとに、婚活市場における年収と成婚率の関係を詳しく見ていきましょう。